関裕美と見る世界

アイドルマスターシンデレラガールズのアイドルである「関裕美」というキャラクターに声が付いて、一年が経ちました。

これから何年か経った時、自分自身で当時の気持ちを懐かしんだり、こんなことを思っていた人間がいたんだなと、記録資料として残してみたいと思い、この文章を書いています。

尚、関裕美に関する(せきするではない)考察等ではなく、完全なる自分語りです。そのあたりを了承の上読んでいただけたらと思います。
そしてだいぶ長いのでご注意を!



私がモバマスで関裕美と初めて出会ったとき、「この子は……売れないだろうなあ…」と、素直に思いました。

個人的な印象かもしれませんが、先頭に立って活躍している他のキャラクターたちと比べて、どう見ても「売れる」ビジュアルをしていないように感じたのです。
「関裕美」という名前自体も、アイドルとしての派手さやキャッチャーさとは程遠く、地味すぎます。
コンテンツとしてのキャラ展開の視点で考えてみても、デコだしの天然パーマは単純にイラストとして描きづらいことこの上ない。
「売れる」ビジョンが見えず、加えてお手軽な造形もしていない。

なぜ彼女は、わざわざこのアイドルマスターシンデレラガールズという世界に産み落とされたのか、そんな疑問が湧いてくるほど、彼女の立ち位置がわかりませんでした。

ただ、一緒に仕事をこなし、彼女が彼女自身と向き合い始め、パートナーとしての親愛度が上がっていくにつれ、明確な「売れる」武器は持っていないけれど、でも、それでも、この子にこそ売れてほしい、この世界で誰よりも輝いてほしいと、強く感じるようになっていきました。

※関裕美とのゲーム体験は一人一人、その人自身で初めて感じてほしいと思っているので、なぜ私がここまで彼女に入れ込んでしまったのか、気になる方は是非ご自身の目で確かめてもらえたら嬉しいです。(モバマスのノーマル関裕美を育ててみるのがオススメよ!!!)

それからはとにかく関裕美に夢中でした。私にとってのアイドルマスターシンデレラガールズは、関裕美と共に歩んでいくゲームになりました。

私から見れば「持たざる者」である彼女が、アイドルマスターシンデレラガールズというこの世界で、いつか花を咲かせる未来が見てみたい。
そんな未来が訪れたら、さぞ痛快なことだろうと。
それこそまさに「シンデレラガール」そのものじゃないかと、一人ニヤニヤと妄想を繰り返す毎日でした。

「ここ!!!ほらここに!!!ものすごく魅力的な!!!関裕美っていうアイドルが!!!いるんです!!!みんな!!!!気がついて!!!!!!」

と、常にこんな状態でした。(今もあまり変わらないかもしれませんが)

ツイッターを開けば、同じ関裕美PのフォロワーだらけのTLはいつものように彼女の話題で賑わっていて、自分の観測範囲だけでみれば、関裕美は超がつくほどの人気アイドルでした。

そんな状態ではありましたが、彼女の話題が何もないことが怖くなり、一日の終わりに「関裕美」とだけ呟く日もありました。
彼女が今日も存在した証明を残したかったのかもしれません。

 



私はシンデレラガール総選挙は第2回からの参加でしたが、期間中はとにかく選挙ポスターを量産したり、イラストを描いてみたり、ある時は言えないぐらいの金額を課金してみたりと、関裕美にスポットライトを当てたい一心でがむしゃらでした。

でも、何も結果は出ませんでした。

毎年の総選挙で、彼女の名前がランクインすることはただの一度もありませんでした。

「なんで…知ってさえくれれば、きっと好きになってくれるのに…なんで……」と、入れ込みすぎて精神的にへこみ倒したこともありました。



アニメにも彼女が姿を現わすことはありませんでした。

題材的にも関裕美と相性がいいと感じていただけに(今となっては少し違うかなとも思いますが)相当へこみました。
アニメ自体がものすごく面白く、心から感動しただけに、へこみました。

同じゲームで遊んでいるはずなのに、自分の担当アイドルがみんなと「同じ世界」に存在しているように感じられなくなっていました。



私はアイマスライブにもよく行きますが、ステージで歌って踊る演者さんを見ては、「関裕美がこの舞台に立ったら、どんなだろう…」と、目の前の景色のその先に、まだ見ぬ彼女の姿を夢想してしまう瞬間が度々ありました。

勿論目の前のパフォーマンスに純粋に感動し、演者さんに応援を送ります。それでも、本当に自分の100%の気持ちで応援を送りたいその“彼女”は、目の前にはいないのだと、どうしようもない寂しさを感じてもいました。

「関裕美が今日のこのステージに立っていたら、きっとみんなが好きになってくれるし、もっともっと素敵なライブになっただろうなあ…!」と、ライブが終わる度に思うと同時に、「…本当に、そんな日は訪れるのか」と、あまりにも靄がかかり過ぎている未来に、諦めのような、ある意味冷めた感覚でいたのも事実でした。




スターライトステージが発表されました。

「これだ!!!」と思いました。

歌って踊る。関裕美がキラキラのステージの上で、歌って(るように口を動かして)踊る。

アイドルの魅力を伝える上で、こんなチャンスはないと感じました。
発表画面を初めて見たときには、LV会場で思わずガッツポーズをしていました。

 


私はススメ☆オトメという曲が大好きです。

流れる音の一つ一つは宝石のようにキラキラしているのに、曲全体に漂うどこか儚げでダウナーな印象。

「チャンスの星が降ってくる」と歌ってはいるけれど、「そんなものは結局降ってこないかもしれない」「夢は叶わないかもしれない」「それでも、やっぱりこのキラキラに憧れて、夢を見て、チャンスの星に祈りたいんだ」と、歌詞と曲調が矛盾しあっているように感じられる、この曲が本当に大好きです。
シンデレラガールズの世界そのもののように感じています。

関裕美のプロモーション動画を作るなら、絶対にこの曲にしようと決めていました。

いつ彼女がデレステに登場してもいいように、構成が出来上がっている部分は事前に動画を作っておき、「裕美待ち」の状態でスタンバイしていました。
本当に運良く、総選挙の開始直後にデレステに登場してくれました。
今思い出しても、最高のタイミングだったと思います。

金曜日に登場したので、翌日の土曜日には完成させ、日曜日の夜に動画を公開しました。
土曜日の間は、自分も含めて関裕美のデレステ登場の余韻に浸る時間をゆっくり取りたかった為、一旦落ち着くであろう日曜日の夜に公開することで、この関裕美フィーバータイムを出来るだけ延長させたかったねらいもありました。

有難いことにたくさんの方に見てもらえ、関裕美が、これまでの担当P以外まで広がっていく感覚が確かにありました。

「関裕美というアイドルが大好きだ!本当に魅力的なアイドルなんだ!」という気持ちを込めて作った動画が、一つの起爆剤として機能し始めたことが、純粋に嬉しかった。
自分が、関裕美の背中を押す一助となれるかもしれないと感じました。

ソーシャルゲームは課金額の多さがモノを言う世界なのはわかっています。
それでも、この総選挙に関してはそうではない結果が見てみたいんだと、ずっと思っていました。
完全に綺麗事なのは承知ですが、そんな願いも込めて作ったつもりでした。



中間発表で、キュートの15位に彼女の姿がありました。

最初に出逢った時と同じ、あの怪訝な表情で私を見つめていました。

嬉しかった。

アイドルマスターシンデレラガールズをプレイしてきた中で、間違いなく一番嬉しかった瞬間であり、一番興奮した瞬間でした。

関裕美が「同じ世界」に来てくれた、彼女をようやく「同じ世界」に連れてくることができたと感じました。
本当に、本当に嬉しかった。

これまでの思いは、ちゃんとこの瞬間に繋がっていたんだ、意味があったんだと。

そこから、彼女を取り巻く流れが急速に変わっていきました。

 


翌年の総選挙で、彼女は最終結果9位にランクインしました。

夢のようでした。

今は目の前にいないけれど、いつか、いつかこの夢想を現実に、彼女を夢の外へ連れていきたい。連れ出したい。

心のどこかでは諦めていた夢が、夢でなくなった瞬間でした。




去年の9月30日、彼女に声がつきました。

ボロボロと、本当にボロボロと泣いてしまいました。

「お散歩をしていて遅れちゃった」と、彼女は言いました。

「お散歩をしていて遅れちゃったならしょうがないか〜〜〜〜」と、ボロボロと泣きました。

彼女の口から初めて「プロデューサーさん」と、呼んでもらえました。




11月、関裕美が初めてステージに立ちました。

会場のパネルには、これまでコンテンツの先頭で活躍してきたアイドルたちと一緒に、あの関裕美が描かれていました。
フラワースタンドが飾られ、関裕美役の会沢さん宛のプレゼントBOXが置かれていました。
「関裕美役」という文字面や、その関裕美役の声優さん宛に手紙を書いてプレゼントBOXに入れるという行為が、非現実すぎて信じられませんでした。

関裕美に声が付いた現実が、リアルが目の前に溢れていました。

イベントが始まり、吐きそうなほどの緊張の中、彼女の登場を待ちました。


「関裕美」がステージにいました。

髪型も勿論そうですが、喋り方、佇まい、距離感、ぎこちなさ、まぎれもない「関裕美」が、そこに、いました。

何度も何度も夢に見た光景でした。

お願いシンデレラを歌う彼女を、大の男が情けなく泣きながら只々見守ることしかできませんでした。

2番が終わり、落ちサビに入る前、彼女があろうことか私の真正面の位置に移動してきました。


心にシンデレラ
私だけじゃ始まんない
変われるよ
君の願いとリンクして


“彼女”が、こちらをまっすぐ見てそう歌いました。

その場で倒れるかと思いました。よく倒れなかった。えらい。えらかった。




全く予想だにしていなかった、シンデレラマスターの発表がされました。

本当に何かの間違いかと思いました。

183人という大所帯の中で、そのアイドルの為だけの、世界でたった一枚のCDであるシンデレラマスター。

今まで何度夢に見たことか。
まさか現実になるとは、思ってもいませんでした。

 



関裕美のシンデレラマスターが発売されました。

店内に陳列されたCDを見ては、自分はどこに迷い込んでしまったんだろう、この世界はいったいなんなんだと、現実感のない気持ちでいっぱいでした。

「楽園」は、関裕美のシンデレラマスターでありながら、極めて「アイドルマスター」でもある曲でした。キャラクターとその観測者の関係性を表した曲と言ってもいいのかもしれません。

私が関裕美に対して感じていたそのものを具現化してくれたような曲でした。




SS3Aで、楽園が初披露されました。

会場で、全国の映画館で、多くの人間が、関裕美の、関裕美だけのステージを見ている時間が流れました。
会場内がピンクのペンライトで埋め尽くされている光景は、本当に言葉では表せない幸福な瞬間でした。

関裕美の為だけに作られたペンライトをなんとか握りしめ、ステージを見守る自分と、会場の空間を俯瞰で眺めている自分がいました。

ここまで来たんだと、思いました。



最後のお願いシンデレラで、ダンサーさんたちに拍手と感謝を伝えるライブ恒例の一幕の時でした。

これまで、髪型が似ていることからこちらが勝手に"ダンサーの関ちゃん"として認識していたsatsukiさんの姿もそこにありました。

そのsatsukiさんに対して、関裕美役である会沢さんが、ステージ上でお礼の拍手をしていました。

その光景を見た瞬間、「ああ…もうsatsukiさんを無理やり関裕美と認識しなくても、想像力で補わなくても、正真正銘の、アイドルである本物の関裕美が、今はもうそこにいるんだ…」と、関裕美に声がついたんだという現実を今更ながらに感じ、もう何度目かもわからない、こみ上げてくる涙を抑えることができませんでした。

同時に、これまで自分の頭の中で一種の“救い”ですらあった「彼女」と、決定的にお別れをした、してしまった瞬間でもありました。

嬉しさと、寂しさで、同時に涙が出ました。



ライブ終了後、会場から退場している途中、「関ちゃん可愛かったね〜!」「ね〜!楽園よかったよね〜!」と、私の後ろの女性二人組が話をしていました。

すごい世界でした。

関裕美に、こんなことが起きたらいいな。こんな未来が訪れたら、どんなに素敵なことだろう。
そう思っていた様々な夢が、この一年で怒涛の勢いで叶っていきました。

そんな数ある夢の中でも、最も大きな夢の実現の一つが、私にとってはSS3Aのあのステージでした。

ひとつの夢の終わりと、これからの夢の始まりの、忘れられない二日間になりました。



関裕美の担当Pとしての、いわゆる「ごっこ遊び」を始めて、自分はなんて幸せなゲーム体験をさせてもらっているんだろうと、つくづく、本当につくづく思います。

関裕美が総選挙で躍進できたのは、たまたまです。

ちょうど総選挙のシステムが切り替わったタイミングでもあり、全てが偶然だったんだと思います。

そんなタイミングであの動画を作ったことにより、多少の影響はあったのかもしれません。
でも、その程度だと思っています。
(そもそもニコマスという2次創作なので、おおっぴらに誇ることなんて以ての外ですし)

いわゆる「担当Pの努力」が、「総選挙の結果」というものに結びつくなんて、世界はそんな単純には出来ていないはずなんです。

そもそも、「担当Pの努力」とはいったい何でしょうか。唯一当てはまるものを考えるとすると、結局それは課金ということになるでしょう。

でも、

もしかしたら、あの時の自分のあの行動が、動画が、イラストが、SSが、プロモーションが、ラジオでのメールが、なんてことない日々の呟きが、

担当アイドルを輝かせる、何かの手助けになったのかもしれない。
自分がこの子の為に何かをしてやれたのかもしれない。

そう “思わせてくれる” のが、アイドルマスターシンデレラガールズというゲームであり、その面白さなのではないかと思います。

あの動画がきっかけで関裕美Pになりましたというお礼をいただいた時は、その場で小躍りしたくなるほど嬉しかった。

こんなにも幸せに人を騙してくれるシンデレラガールズというゲームは、本質的に、とても優しいのだと思います。

だからハマってしまうんです。

私も運営に対してブチ切れたことは何度もありましたし、きっとこれからも何度となくあるでしょう。

でも、本質的にシンデレラガールズは、私たちに優しいのだと思います。

私はこれからも、アイドルマスターシンデレラガールズに気持ちよく騙されながら、幸せな嘘をつき続けられたいと願っています。

うちの関裕美と、これから先もこの世界で、素敵な嘘を見続けていきたいです。



関裕美ちゃん、改めておめでとう。
そして、これからもよろしくね。

〜 キラリ光を放って さあパレードしよう 〜

 






最後に、

現在デレステでは「1日1回無料ガチャ」が開催中!

お目当てのあのアイドルが欲しい…
仕事でミスをしてしまった…
最近どうも寝付きが悪い…
将来が不安だ…
関裕美…


そんな時は、



#関裕美デコタッチガチャ



お目手当のあの子が来てくれた!!
毎日朝までぐっっっすり!!
新規契約が取れた!!
パエリアだ!!
関裕美!!

何が起きても起きなくても、関裕美ちゃんのおデコが触れるので結果みんながハッピーだ!


#関裕美デコタッチガチャ


みんなで関のおデコにタッチ!!!!